現在、関わっているプロジェクトの元の映像が男性のナレーションだったので、まさか自分には来ないだろうけど、とにかく英語での交渉に慣れないといけないため、試しに「女性なんですが・・・」と提案。

しかも、かなり前に募集していたので、すっかり忘れていました。本当は日本人の男性がよかったんだろうに・・・でも、国内ですら男性のナレーターは取り合いになってるし、さすがに英語で交渉してくる宅録の男性はいなかったようで。

しかし……海外のナレーションはハプニングだらけなので、国内のお仕事はなんとスムーズに進むことよのう……と、受けるたびに遠い目をしてしまう。何が起こっても驚かなくなっていますが……

プロフィールにも書いていますが、私は本当に普通の考え方では生きてこれなかったので、フツーではないド天才をネットで探しまくりました。そして、突撃すると大抵「ウチはほとんどのお客様が口コミでいらっしゃるんですよ。どうやって見つけたんですか?」と言われる。私はどちらかというと、世間の方と違う探し方をします。こういうサービスがあるに違いない!イヤ、絶対にある!(……イヤ、実際にはないんだけど。)と、想像(妄想?)してキーワードを入れます。

おかげで、すっぽんのように食らいつくような検索の癖がついてしまったような気がしますが、実際には役に立ったのかどうか今となってはよくわからない。

ただ、以前から「ココで働けたら、世界中にクライアントいるし、よさげだなぁ~」と、何年も前から知っている企業がありました。すぐに登録してもよかったんですが、条件が厳しそうで尻込みしていました。

「まぁ、そのうちね、おほほ・・・」なんて呑気にしていたら、その企業のスタッフに見つけられてしまった。「しょーこには合うと思う!」とかのせられて。日本人と広東語の中国人が足りないらしい・・・

もちろん、私もいずれは登録しようと思ってたのよ、でもねー、英語がわからないからもーちょっと勉強してからにしよう、と考えていたけど、今、ここで連絡きた、と言うことは、まぁ、そういうタイミングなのかも、と思い、とりあえずテストとやらを受けてみることにした。

しかーし!このテストというのがとんでもない鬼門だった。

「しょーこなら大丈夫」……? 何を根拠に……

まず、この企業には独自の音声の提出条件がある。英語が定かではないので、合っているのかわからないが、最低でもざっと下記ような感じ。

部屋のエコーNG、-3db前後のピークでそろえる、開始時は0,5秒の無音入れる、ノイズリダクション、イコライザNG、重い圧縮やリミッターはダメ、クリッピングノイズ注意

これ以外にもあった気がするが、要はマスタリング的なものは禁止しているようです。だからって、まさかノイズざーざー、音小さすぎで提出するワケにもいかず、余計な加工はしていませんよ~的なさりげない加工(?)をかなり慎重に行いました。

これだけの条件があるにも関わらず、なんと時限爆弾つき。

「テストやりまーす」みたいなボタンをクリックすると、刻々とタイムが減っていく。制限時間内に終了しないと、おそらくテストは通過できないんでしょう。

こんな厳しいテスト・・・外人は受かるのか?さすが宅録大国。日本人が少ないワケが判明。

この企業は10代の声を欲しがっているようですが、10代の女の子にコレは酷だわ。バイリンガルで、声の演技がプロ並みで、しかもこの厳しい宅録の基準を突破できるってどんな天才だろう。

そんな子はとっくに別の業界に行ってますよね。

と、いうワケで私は現在、10代の女の子の声ばかりサンプルをアップさせられています。

この出来事って、タイミングというのはときに、完璧なんだなぁ、と感心させられたことのひとつでもあります。

半年前だったら、受かりませんでした。音声の状態すら把握できなかったし……

「あんたのデータなんか誰も受け取らない」って言った外国人のおかげですね。あの時、大人しくやめていたら、今はないです。

宅録に関してはいったん絶望したので、今は以前より静かな気持ちです。機械が進化すれば、また別の収録形態が発生するかもしれないですし、そのあたりが現在、収録に関わっている方々のターニングポイントになるかもしれませんね。