……という言葉は宅録を始めてから知りました。初めてこの言葉を聞いたとき、まるで英語を読んだときのような???マークが浮かんだものです。

 映像の尺に合わせて録っていくことですが、それは時と場合によってはその前から行っていました。その言葉を知らなかった。

 ただ、これは宅録に限らず、スタジオに入ってもずっとありました。毎回、聞いたこともない現場ワードが出てきたからです。

 こういう言葉ってある程度、実践的な養成所ならディレクターさんのお口からぽんぽん出てきますから、わかることも多いんですけど、それでもやはり実際のお仕事となると全くついていけないこともありますね。調べても限界あるしね……

 

 話は変わりますが、この映像同期は国内の場合はかなり頻度が高いです。ですから、同期がない時よりも数倍の時間がかかると思って取り組みます。

 他のナレーターさんはどうなんでしょう。あまり横のつながりがないので、聞いたことはありませんが、同期って追加料金必要なこともあるので、それなりに時間がかかるとわかっていての料金設定だと思います。

 特に息つくヒマもないようなスピードの速い動画はもう毎回、てんてこ舞いです。息継ぎしていたら、次の絵になっちゃった! ぎゃ~みたいな、もう自分を傍からみたらギャグだ、としか思えない。

 実は、前回フランスからやって来た化粧品のナレーションの別バージョンがまた来ました。もう当分ないだろうな、と思っていたので驚きでしたが。

 映像はなく、あちらで日本語に絵を合わせてくださるようで、収録自体は早く終わったのですが、絵がないことって、違う意味でイメージ力を問われます。

 かといって、今の私にはちょっと手が出にくいブランドのため、仕方なく他の動画をチェックしたり、後はデパートの化粧品売り場をうろついたり。

 買わないのにきょろきょろと見渡し、もうそれ捕まるやつ? ってぐらい挙動不審で警備員に目をつけられなかっただけマシかもしれません。

 でも、嬉しかった。始めは男性のお客様しかいなかったんですが、私が遠くから見ていたら、かわいらしい女性が次々と試していましたから。

 そういうところを見るのがやっぱり一番嬉しいです。昔、アパレルでバイトしていた時、偶然自分が売った服をお召しになったお客様を電車の中で(今でも人生の不思議のひとつ)見つけたことがあったんですが、あれと同じぐらい嬉しいものです。

 それにしても、こういうブランドって、店内モニターとかはまずありえないし、ウェブでも出てこない。ということは展示会なのかなぁ、という感じがします。展示会だとちょっと見られないですね。

 最近、海外の方はアジア系が多かったので、あまり納期の時間を気にすることがなかったのですが、久しぶりに「ええと、今日本は~時だからあっちは何時かな」と注意しつつ、録りました。

 しかし、あいかわらずメールは最低限のことしか書きません。もう長く書けばたちまちボロが出ることはわかっていますから。

 でも、人間ってやっぱりちょっとテレパシックなんですよね。誰でもね。

 だから、相手もいつになく、二言、三言のメッセージで要件をまとめてくださる方でした。それなのに、件名からわからなかった。現在も辞書必須です。

 そういえば、公務員時代に、局長がこんなことをおっしゃっていました。

 「君は辞書がいるのかい?」と初代の局長に言われた、というのです。

 その初代の局長というのはもうとんでもない逸話の持ち主で、酒を飲みながら法案を書き上げたとか、確かそんなような豪快さのある方だったようです。

 局長だって、私からみたら神のごとく優れた方でしたが、まぁ、昭和の豪傑というのはもう宇宙人レベルですよね。

 そういう治療家の話もそこらじゅうで聞きましたしね。