これは以前にも別のブログで書いたのですが、今日久しぶりにラピュタのアニメを偶然テレビで見たので、芋づる式にいろいろ思い出し、また記録しておこうかな、と思いました。

前回の記事の続きでもあります。

そもそも私がいったん豪へ行ってみようと思ったきっかけは、自分が日本では暮らせない体質なのかもしれない、とあきらめていたこともあります。もちろん、今となっては全く関係なかったことがわかったのですが。でも、当時はまるで神にフィルターをかけられていたかのように、気が付くことができませんでした。

・・・と、言っても豪には厳しい温度差がある。冬は快適だけど、夏は暑すぎ。なので、お試しで日本が暑い時に避難してみたのです。あっちには知り合いなんて1人もいないので、ついでにプチ留学してみよう、と。

でも、実はそれも口実で、私は日本では見ることができない南十字星を見たかったのです。ですから、それが見られるというツアーに参加した。

ところが、このツアーというのが、星空鑑賞が目的ではなかったのです。それはおまけに見せてあげる、というもの。本当の目的は日本語で土ホタルと呼ばれている虫(?)を見に行くのがウリのツアーなのです。

それを見に行く途中に広い空地があって、そこで星空が見えると言うのですが、行きは曇っていて全然ダメ。

それで、先に国立公園の方へ。

真っ暗な森林の中を、ひたすら歩くと洞窟があります。そこでガイドさんに「懐中電灯を消してください」と言われます。

消してどーする気よ?って思ったけど、とりあえず言う通りに。

消してびっくり。なんじゃこりゃー!

 

洞窟の中が飛行石だらけ。

・・・そんなワケないです。コレが土ホタルなのです。見た目は洞窟の中でおじいさんがランプを消したとき、壁一面が青く光っていますよね。あれと一緒。でも、あれはアニメだし、と思っていたからそれはそれは驚いた。

でも、日本人はコレが目当てでこのツアーに参加する人がいるらしいです。と、言うのも宮崎駿監督がこれをモデルにした、と言われているらしく。

ラピュタは好きなので嬉しかったケド、やっぱり真の目的は星なんで・・・

帰りはもう無宗教のくせして「神様、仏様、宇宙人(?)様~コレを見ずして私は日本に帰れません!」と節操なく拝み倒した。

どの神様がかなえてくれたかわからないが、おかげで雲1つなく天の川まで見られました。

思わず「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」(・・・っておまえは政治家か)と心の中で叫び続けました。

ガイドさんには「いや~今回はツイてますね」と言われる。土ホタルもご機嫌がよろしくないとちょっとしか見られないことあるし、ここ数週間は両方くっきり見られたのは私たちだけという始末。そんなリスク、聞いとらんよー!

その証拠に、もうバスに乗っている帰り道、すっかり曇ってしまっていました。

でも、このあたりはまだ序の口。豪ではその後もタイミングがズレたらムリだったような事が起こります。

 

また、ラピュタを見ると、亡くなられた当時の上司を思い出します。その方は私の人生の中で、5本の指には入る不思議すぎる大物でした。医者の道をあきらめ、東大に入り直したという大変なエリートでした。

あと何年かズレたら、出世できなかったのではないか、と思うほど優しげな方でした。しかし、時代が良かった。天が味方するとはこういうことなのか、と。

その上司は「我が谷は緑なりき」という昔の白黒映画をお好きでした。これは炭鉱の話で、宮崎さんはラピュタの炭鉱についてはこの映画をモチーフにしたとも言われています。

この映画も素晴らしかった。主人公が川に落っこちて、動けなくなりベッドでの生活が続いたとき、牧師さんが

「君は神様から治す時間をもらったんだよ」

と、言います。

これが当時の私をなぐさめる言葉にもなりました。もっとも、私はその後、この言葉を忘れていきました。それほど、どうにもならなかった。

でも、今日ふと思い出しました。

ホントだったのかもしれないなぁと。